*エッセイ*


▽▲▽▲▽▲OBの気持ち▲▽▲▽▲▽

For asano lab community from old members


up date 2000/05/11



趣旨

浅野研究室OBからメッセージが届きました。
言いたい放題の月刊エッセイ集。






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▼5月号:藤 繁和 の気持ち

『風土の意匠』出版記念
センセと僕の旅行日記。(2)



    では、今月は平成10年7月28日〜30日に行った
    気仙大工[岩手県陸前高田市]の取材のお話ですな・・・。

    ****************
    平成10年7月28日。
    前回と同じようにセンセと新幹線内で待ち合わせ。
    東北新幹線で仙台駅まで行き、
    仙台駅から仙石線で石巻駅へと向かう。
    石巻からレンタカーで目指すのは陸前高田。
    片道100キロの恐怖のロードロケハンが始まる。

    河南町〜登米町〜藤沢町と、
    伝統的民家が残っていそうな道を選んで進む。
    「スロ〜リ〜、スロ〜リ〜、スト〜ップ!!」
    良さそうな民家が見えてくると、
    先生が僕の運転に制御をかける。
    僕は先生の言葉に合わせてアクセル・ブレーキを踏み分ける。
    行きすぎると、「バ〜ック、バ〜ック・・・」となる。
    そこで見える突き上げ天井や
    天井窓のある民家をデジカメに収め、
    6時間くらいかけて陸前高田入り。
    ふぃ。

    あらかじめ、陸前高田市役所から取り寄せていた
    市内の観光地図で、
    山の上の気仙大工・左官伝承館に向かう。
    閉館間際の時間だったが、
    管理人のおじいさんに親切にもお茶を出してもらい、
    説明までしてもらう。

    市内には本職とは別に気仙大工としての技を持つ人が
    たくさんいるんだという話はここで聞いた。
    技術は残っているのに生かす仕事がない。
    技術が生かせないから技術がすたれていく。
    むむむ、何となく不条理感。
    日本のスクラップアンドビルドは、
    技術面にも言えることざんす。
    過去を捨てて次を求める。
    歴史を捨てたから息詰まってきたのかね。
    歴史の延長上にあれば、
    技術も少しずつ変化していって、
    建築業の就職難なんて急には来なかったかもね。

    伝承館で聞いた情報をもとに海側へ。
    そこにあるお寺の伊達風といわれる装飾を見る。
    なるほど、ダテね・・。
    建物に立派なヒゲが生えたような形の破風。

    返す刀で市街地へ。
    扇だるきの寺院をみる。
    次の日も期待できそうな雰囲気に満足。
    その日はロケハンを終え、ホテルに向かう。


    7月29日。
    今日も朝からロケハン。
    昨日行った海側と逆方向の山側に向かう。

    あちらこちらと走った後、
    センセのつかんでいた情報で、
    気仙川の中州にある山へ。
    その情報とは、
    地場産玄昌石のスレート工場があるというもの。

    中州に渡ってしばらく行くと、
    玄昌石のくず山を発見。
    「これはスレートのくずだね」
    センセの推理が冴える(?)。

    そこから先生は歩く。
    僕は車で後を追う。
    「まるでチェックメイトキング2のようだね」
    「何ですか、それ?」と聞くと、
    映画「コンバット」に出てくる調査部隊の名前とのこと。
    「ぱぱらぱっぱら〜ぱっぱぱっぱらっぱぱ〜」ってわかる?

    そんなこんなして“探検”している間に、
    だれもいない公民館を発見。
    おお、この屋根もスレートだね。
    そこの前に汚い小屋と散乱する壊れたスレート瓦。
    小屋の近くには「玄昌石スレート」と書かれたパンフレットと看板。
    センセはこの小屋を探していたスレート工場と断定。
    この事件は解決した・・・じゃなくて。
    この汚れよう。つぶれちゃったのかな???
    二人でそんなことをいいながら、スレートを一枚失敬。
    研究室・センセの机の横に飾られているスレート瓦は、その時のもの。
    みなさん是非一度、鑑賞においでください(笑)。
    お昼には陸前高田の駅へ向かい、常平さんと合流。
    半日かけて市内での撮影を終え、気仙沼へ向かう。
    気仙沼では、まず魚市場探索。
    そして和風旅館へ。
    和風??なんだ、どこが?という代物でしたよ。
    夕食に出てきたホヤは、初めてで、味・食感ともに、
    自分にはぜ〜ったい食べれないものだと思った。
    センセと常平さんは、好きなようでしたけど・・・。

    7月30日。
    この日は朝8時半に出発。
    おととい通った道を逆戻り。
    また地獄のロード。
    しかも雨。
    この取材は雨が多い。
    センセが言うには、
    今までもこの取材はほとんど雨だったとのこと。
    車内で、誰のせいだ?という議論になったのは
    言うまでもないです。
    僕の参加は最近だしぃ、
    センセとのロケハンは雨ふらないしぃ。
    さて、誰のせい?(笑)

    途中、民家に住むおじいさんに
    家内を見せてもらいたいとお願いした。
    しかし、
    すでに屋根を葺き替え、
    天井をはってしまったため、
    小屋組などは見れないから、と断られた。
    最近はこういった民家の躯体を取り寄せて、
    現代生活風にアレンジして住むのが少し流行っている。
    移設のための実費だけ払えば、
    もっていってくれていいと言う持ち主もいると聞く。
    実際に住む人は大変なんだろうなぁ、と実感した。

    道に迷いながらも何とか撮影は終わり、石巻に戻ってきた。
    その頃にはナゼか、天気は晴れに。
    これをマーフィの法則と言う(笑)。

    さてさてまた仙石線に揺られて仙台駅へ。
    海沿いの路線は、途中に松島がある。
    常平さんによると松島の牡蠣は小振りでも旨いらしい。
    それが時期的なものかはわかんないけどね。
    (若竹くん、怒らないでね?)
    そういえば、別の雑誌で取材したばかりだったっけ。

    **********************
    では、次月は
    漏斗造りと竃造り[佐賀県佐賀郡]です。
    よろしく。


                         平成12年 5月11日

                 平成8年度卒 藤 繁和(とう しげかず)





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