| OBエッセイ うっちの水たより 近況報告 「〜うっちの水たより〜わき水の里/六郷町の現場実況中継 その3」 【メッセンジャー】内田隆志(平成11年卒・株式会社青島裕之建築設計室) |
| ▼2月号:内田 隆志 の気持ち |
六郷町からの報告に間が空いてしまいました。どれだけこのエッセイを楽しみにしている方がおるかわかりませんが、中途半端では終わらせたくないので完成後がファイナル、今回がセミ・ファイナルとして報告させていただきます。 前回の報告で基礎工事までいきました。その続きである12月は鉄骨製品検査を終え、鉄骨建方工事、屋根工事が始まりました。こちら秋田県は十数年ぶりの大雪の当たり年。一晩で数十センチの積雪により鉄骨が雪に埋もれる日もありました。おかげ様?で工期の方も遅れ、年内に屋根を架け終える目標は達成できませんでした。蔵が外部環境におかれたことで壁面の一部が崩壊したのもこの時期です。土壁は生きています。急激な環境変化に耐えられなかったようです。 さて、1月。年度末完成という絶対的条件のなかいよいよ臨戦体制に・・・。テナントが7つ、水の文化施設が入居することもあり、内装工事の打ち合わせが続きました。「模型は壊すためにある!!」そんな言葉がぴったりの時期です(スターディーを今ごろしているのもおかしな話ですが・・・)。古材の利用方法の検討、文化施設の展示準備のために町の人に取材もおこないました。 2月。卒研生・院生もドタバタの時期ですが、現場も多くトラブルが生じ、お金・工期の問題、それを可能にする施工方法など毎日胃が痛くなる日々です。 その代表的な例として蔵の補修があります。外部環境におかれた蔵は予想以上に傷んでおりました。蔵補修を考える過程で「レスタウロ」という言葉も思い浮かべましたが、良い職人と時間さえあればうまい具合に補修できるのですが、できないのです。歯がゆい気持ちです。既存のものを残すということは新築する以上に大変だということを実感しました。大きなクラック、腐りかけた木柱、ゆがんだ蔵と新築部分との取りあい・・・。土壁が完成後に崩壊でもしたら人命に関わります。昔の良いものが減っていく昨今、保存・改修といった考えが認知されつつありますが、スピード化していく社会のなかで昔の時間の流れで生きているものをどのように共生させるのか?そんなテーマを考えさせられたこの頃です。 次回はいよいよファイナル。蔵の改修方法は?古材利用は?建物の全体は?その答えがでます。 追伸 先輩の助っ人が12月にこなければ大変なことになってました・・・。 |

